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2008/07/31 (木) 13:44
連載小説 プレリュード 第二話
連載小説 プレリュード
第二話
パオは、透明なプラスティック板の外壁を持つ、直径10メートル程の円錐台のような建物である。名前から察するに、モンゴル遊牧民の住居をモチーフとしたものであろうか。入ると即レジがあり、中央がカウンターとなっている。
レジにてコーヒーを注文し、クローク・ルームの札の様な楕円形をした硬質の食券を受け取ると、カウンターへ差し出した。入れてもらったコーヒーを、内周に沿ってぐるりと連続しているテーブルへ自分で給仕し、少しガタつく円い椅子へ腰掛けた。