或る自動車屋の小学生時代
以前、小学生に車の魅力・楽しさなどを訴求する授業を、トヨタが一部の小学校にて実施するという記事、「トヨタ、需要への種まき!」( http://blog.livedoor.jp/appieita7/archives/443501.html )を書きましたが、書きながら、自身の車好きであった小学生時代が思い起こされました。
小学生の頃、もともと幼い時分からミニカーなど車のおもちゃが好きだった私は、あのスーパーカーブームの直撃を受け、すっかりそれにハマってしまいました。なかでも傾倒したのは、スーパーカー・カードの収集です。学校の勉強に対する知識欲は、宿題をきちんとやった記憶が一度も無い程ですが、スーパーカーに対する知識欲は旺盛で、お小遣いのほとんど全てを、それに費やしておりました。
スーパーカー・カードは、中身が見えない濃色の袋に入っており、封を開け、カード裏面に、「大当たりラッキーカード きみはついている。」というスタンプがあれば、カードを入れるスーパーカー・アルバムを貰えるという、クジの性格も有しておりました。自身で当てたものとカード収集に飽きた友人から貰ったもの、合わせて15冊程のアルバムを所有し、そのうち10冊くらいには、友人と交換し合い重複しないよう揃えたカードが、びっしり詰まっていました。
そんなものを毎日眺めたり、3連丸テールのサニー・エクセレントクーペ1600GXや、シャークマスクのコロナ・マークⅡ2ドアハードトップ2000GSSに乗ったクルマ好きな親戚のお兄さん達の話を聞いたり、そのお兄さん達から貰ったカー雑誌(当時のカー雑誌にはセクシーなグラビアがつきものでしたが、私の教育上、それは切り取られていました。)を読んだりして、スーパーカーだけでなく国産車に関しても、小学生としては、なかなかのクルマ通(ツウ)となっていたと思われます。
ですので、当時、東京12チャンネル(現テレビ東京)で放送していた「対決!スーパーカークイズ」も、TVの前で高い正答率でした。写真やシルエットからスーパーカーの名前を当てる問題などは、スーパーカー・カードにあるものでしたら、ほとんど判りました。ただ、どうしてもエンジン音からスーパーカーの名前を当てる問題が出来ず、とても悔しかったと記憶しています。今思えば、聞いたこともないエンジン音から、何の車であるかなど、小学生に判別出来る訳もございませんが。
そして、「対決!スーパーカークイズ」が放送を終了した頃、スーパーカーブームは去り、時代はブルートレイン等を中心とした電車ブームへ。誰もスーパーカーの話などしなくなってしまい、クラスのクルマ博士としての権威は失墜しました。
それからは、電車の写真を撮りに行く友人達に付き合い、大きな駅などへ行くようになりました。電車の知識を得て電車に詳しくなろうとも努力致しましたが・・・・・・スーパーカーのようには覚えることが出来ません。電車の写真を撮りに来ている一団の中で、自分だけは、いつまでもスーパーカーブームを引きずっているという疎外感にさいなまれていたものです。
そんな電車ブームも、いつの間にか終焉を迎え、約30年後の現在、私はクルマ屋をしております。