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2008/08/03 (日) 13:52
連載小説 プレリュード 第五話
連載小説 プレリュード
第五話
丁寧にそれを剥(は)がすと、仕方なく、しかし、平静を装いながら、またその煙草を吸い始めた。
恐る恐る辺りを窺うと、七、八人いるであろうか、誰も私の失態を話頭に上らせていない様子である。椅子一つ隔てた隣の男も、私には背を向けて座っていたので、繋(つな)がっているこのテーブルの振動やガタガタいわせた椅子の音から、なにやら揣摩(しま)しているかも知れぬが、事態の把握は不可能であろう。・・・・・・私は胸を撫で下ろした。